『私には一体どんな病棟が合っているんだろう・・・』
新しい病棟に転職したけど入職前に思っていた部分と違った事はありませんか?
多くの方が同様の悩みを抱えて我々にご相談されます。
今回は病棟を7パターンに分けて向き不向きを解説してみましたので、転職時の参考にされてはいかがでしょうか。
1. 一般病棟(7対1・10対1)
2. 一般病棟(13対1・15対1)
3. 回復期リハビリ病棟
4. 地域包括ケア病棟
5. 緩和ケア病棟
6. 療養病棟
7. 精神病棟
一般病棟(7対1・10対1)
「7対1・10対1の一般病棟」の特徴
一般病棟のうち、7:1や10:1は主に2次救急~3次救急の病院で、同じ看護基準でも、病院により看護師の働き方は大きく異なります。同じ7:1でも受け持ち人数4人~10人程度と差があり、平均は7~8人程度となる事が多く、実際に就業している看護師の常勤(夜勤可能者)の割合によります。
看護師が「7対1・10対1の一般病棟」に転職するメリット
看護師としての基礎的な知識とスキルを得る事が出来ます。生涯働くのであれば2次救急以上の一般病棟3年以上の経験を持っていればキャリア形成の基盤となります。
看護師が「7対1・10対1の一般病棟」に転職するデメリット
重要な基盤となるキャリアですが、ある意味で最も多くの人が持っているキャリア。ICUなど特徴的なキャリアと比較すると強みとはなりづらく、一つ一つの経歴が長い事や、どの様な診療科目に携わっていたかが今後に関わってきます。
一般病棟(13対1・15対1)
「13対1・15対1の一般病棟」の特徴
主に1次救急~2次救急の病院で、救急に力を入れている病院が比較的少ないです。生命に関わらない救急などの受け入れや、通院中の患者様が高熱の為に来るなどの救急度になり、受け持ち人数は7:1などと比較しても多くて10~18人くらいであるが、あまり看護必要度も高くない事から残業が少な目です。
看護師が「13対1・15対1の一般病棟」に転職するメリット
急性期などよりも患者様の重症度が低いです。子育てとの両立をしたい方で『急性期では不安だけど、療養より医療に携わりたい』という方に良い環境であり、ママさんナースや子育て経験者の割合が高く、急なお子様の発熱などでのお休みも取りやすい傾向にあります。
看護師が「13対1・15対1の一般病棟」に転職するデメリット
急性期の病院と比較し、看護レベルなどが低くなる傾向があり、大病院などから転職するとそのレベルや感染管理の対策などに対してのギャップを感じる傾向があります。キャリア形成という点では優位性はない為、ここでの経験だけでは転職の幅は広がりにくく介護業務も入ってくる事があります。
回復期リハビリ病棟
「回復期リハビリ病棟」の特徴
一般病棟を経た循環器・脳外・整形・呼吸器の特定の疾患の患者様に向けて在宅復帰を目的としたリハビリを提供しています。一般急性期を経た患者様である事から、状態は比較的安定している点や、入退院スケジュールが分かっている点からも、計画的に業務を行えます。
看護師が「回復期リハビリ病棟」に転職するメリット
急性期を経た患者様である事から、急変などのリスクも少なく救急もない為、一般病棟よりも残業が少ない傾向になり、急性期でついていけない方には、ちょうど良い環境です。看護師が「回復期リハビリ病棟」に転職するデメリット
回復期リハ専門の病院などと比較すると在院日数も短い傾向があり、同じ回復期リハでも一般病棟に近い忙しさとなる事があります。(※特に整形外科に強い急性期ではその傾向)
地域包括ケア病棟
「地域包括ケア病棟」の特徴
急性期医療を経過した患者及び在宅において療養を行っている患者などの受け入れ、ならびに患者様の在宅復帰支援等を行っています。急性期と療養の間となることから、回復期リハや障害者施設など一般病棟に比較的似た環境になります。
看護師が「地域包括ケア病棟」に転職するメリット
超急性期は忙しくて不安だが、引き続き急性期で働きたいという方には合います。一般病棟の役割としてリハビリの希望も担うため、超急性期よりも患者に寄り添った看護が行えます。
看護師が「地域包括ケア病棟」に転職するデメリット
整備されたばかりの病棟のため、不透明な部分が多いです。その地域の役割や機能ごとにも差分がある事から、各病院ごとの確認が必要になります。
緩和ケア病棟
「緩和ケア病棟」の特徴
治療が困難となった癌などの悪性腫瘍を患った患者様の終末期を迎える事が出来ます。身体的な苦痛だけでなく、患者様とそのご家族の精神的なケアを支援する機能で、特殊な病棟となるため、圧倒的なホスピタリティが必要となります。
看護師が「緩和ケア病棟」に転職するメリット
本質的に患者様に寄り添った看護を行う事ができ、癌について専門性が強くなり、特殊な病棟である事からもキャリアにおいて優位性があります。看護師が「緩和ケア病棟」に転職するデメリット
1日の業務スケジュールが組みづらく、残業を気にしたり家庭との両立などを求める方には合いません。患者さまだけでなく、ご家族の精神的なケアも出来る程のホスピタリティや人間力が求められます。
療養病棟
「療養病棟」の特徴
急性期から回復期などを経ても未だ尚、医療行為を必要とされる患者様が入院してます。療養病棟でも、受け入れている患者様の重症度は異なるため在宅復帰加算や、呼吸器を付けている方々の割合、経管栄養の患者の割合を把握しておくと良いです。
看護師が「療養病棟」に転職するメリット
救急が無い為、患者様の急変がなければ残業になる事も少ないです。ママさんナースや子育て経験者が多い傾向があり、お互いさまの為に急なお子様の発熱や学校行事のための休み希望に理解があり対応して貰えます。
看護師が「療養病棟」に転職するデメリット
看護よりも介護の要素が多く、業務としてはバイタル・点滴・服薬管理・処置・吸引など以外は患者様のケアが中心になります。看護師の平均年齢は高めとなる為、20代前半の急性期に疲れて療養に転職するなどのケースでは年齢層にギャップを感じる場合も。
精神病棟
「精神病棟」の特徴
精神療養病棟は精神科の患者様で、且つ医療行為の必要とされる療養の患者様の為の場所。精神科といっても寝たきりの患者が多い場所は、通常の療養とあまり見分けのつかない所もあります。
認知症病棟は身体的には健康な方々も多く、レクリエーションなども行っているため、老健などと雰囲気は似ている事も。
看護師が「精神病棟」に転職するメリット
急変なども少なく、在院日数も一年以上など長期にわたるため、残業は少な目です。療養等とと同じく、ママさんナースが働きやすい環境で准看護師さんの活躍する場の一つ。
他の病棟よりもコミュニケーションスキルが向上する傾向にもあります。
看護師が「精神病棟」に転職するデメリット
療養病棟などと同じく、看護業務がほぼない為、医療をやりたい方には合わない事があります。精神科患者様の言動を受け入れられる価値観をお持ちでないと退職となる傾向も。
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主要な病棟の特徴、メリット、デメリットをまとめましたが、いかがでしたでしょうか。
ご自身の希望がどの病棟に最も近いのか、是非とも参考にしていただけますと幸いです。
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