最近はコロナの影響により、病棟を避け、日勤クリニックの仕事を探される看護師さんが増えています。日勤クリニックは夜勤のある病棟より給与が安くなるので、特に給与が高めの美容系求人が人気です。美容系であれば美容整形と美容皮膚科で、美容整形大手であれば整形・皮膚科両方になります。
今回はプチ整形とも重なる美容皮膚科で勤務されていた看護師さんに、入社前のイメージとのギャップについてお話していただきました。
人気の美容皮膚科のお仕事は楽しかった?聞いてみました。
看護師Aさん:
最初は学ぶことが多く楽しかったです。シミやそばかすを取るレーザー、ヒアルロン酸、ボトックスなどは常識の範囲で理解していましたが、美容皮膚科にはいろいろな治療があり、大変勉強になりました。よくテレビや通販でたるみが直るクリームや化粧水を宣伝していますが、実際は美容整形・美容皮膚科だという真実を知りました。また、芸能人の年配の女性が若くいられるのは美容皮膚科のメンテナンスのおかげだということも初めて知りました。
こんなふうに、最初は学ぶことがやりがいになっていましたが、楽しい気持ちは3ヶ月くらいしか続きませんでした。理由は場所柄と先生の人柄でした。
また、患者さんというよりお客様であり、特に高額治療を行うようなセレブの方にはとても気をつかう必要がありました。私は人と話すのが得意だったせいか、難しい性格のお客様を担当させられることが多かった気がします。
今までは病棟などで患者さんと親しみのあるフランクな口調で話していましたが、美容皮膚科では絶対にNGでした。
コンサルコメント:
美容系で働く看護師さんからよく聞く言葉ですが、Aさんも「美容は営業です」とおっしゃっていました。私たち転職コンサルタントには様々なクリニックの情報が入ってきますが、美容系の全てが「営業」というわけではなく、ドクター・経営者(オーナー)の意向が強く関係してきます。
やはり、いかに高額な治療をするかがクリニックの売上を左右しますし、ドクターの時間単価を考えると高額治療は効率が良いので、看護師が相談時に斡旋をするクリニックでは「営業」になることがあります。また、インセンティブがつくクリニックも見かけます。
とはいえ、治療技術は日進月歩で、クリニックによっては社内割引やお試し治療などを受けられるところもあるので、「美」に関心のある看護師さんにはメリットもたくさんあります。
入社前と入社後で感じたギャップは?
看護師Aさん:
楽しいライフスタイルを想像していましたが全然違っていました。まず、仕事のやる気がなくなっていきました。これは先生の人柄が原因で、患者様への態度はとても良いのですがスタッフに対しては最悪でした。高額治療でガッツリ儲けることばかりを考えている先生で、多分、患者様の顔がお金に見えているんだろうなーと思いました。
また、私の考えも甘く、仕事帰りに銀座でルンルンお買い物みたいなライフスタイルを想像していましたが、仕事で疲れて買い物する気になれず、直行・直帰がほとんどでした。
コンサルタント:
美容系の転職では入社をゴールのように考えてしまう看護師さんも多くいらっしゃいます。美容系は人気なのでなかなか内定が取れず、内定を取るために努力したり、紹介会社を転々とする方もいらっしゃいますので、どうしても入社をゴールのように考えてしまうことがあると思います。
入社後のイメージが曖昧な状態で入社すると、せっかく入社してもすぐ退職することになりやすいので、しっかり入社後も見据えて転職活動をしていきましょう。
人気の美容皮膚科から転職。転職先を選んだポイントは?
看護師Aさん:
やっぱり、医療行為のクリニックから完全に離れることに不安がありました。とはいえ美容系も捨てがたい…結局、医療行為皮膚科65%、美容35%ぐらいの、家の近くのクリニックに転職しました。今まで勤めていた都心の美容皮膚科クリニックは半年で退職を出しましたが、辞めることができたのは3年たった頃でした。3年我慢をして学んだことは今の職場でも大変役立っています。
今は先生との関係も良好です。「帰りに銀座でお買い物ルンルン」とはいきませんが、家から近いので体も楽だし、今までで一番上手くいった転職でした。
コンサルタント:
転職で何を重視するかは人それぞれですが、職場が家から近いのは何よりですね。「医療行為皮膚科65%、美容35%」が本人の理想通りで、さらにドクターとの相性も良いということで、本当にラッキーなめぐりあわせだと思います。
私が転職相談を受けるときに気を付けているのは、求職者本人が気づいていない部分をロジカルに考え、1番幸せになれる転職先を紹介することです。
本人が働きたいと思った職場でも、実際に入社して仕事をしてみたら合わないということもあります。そういったところに気づいてすり合わせをしていく、そんなコンサルを意識しています。
思いと現実は必ずと言ってよいほどギャップがあります。現実と自身の環境を深く考えて転職活動をしていきましょう。
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